定年退職後(または早期退職して)のミドルエイジにとっての海外移住について、10回シリーズで検証しています。
今回は海外移住のメリットとデメリットについて考えてみます。
セミナーや既に経験者のブログに紹介されているのは“暮らしやすさ”ということ。
アジア圏の場合、リタイアメントビザを取得するには少々費用はかかりますが、日々にかかる居住費や食費などの消耗品費は日本の暮らしに比べて1/3~1/2程度で済むだろうという魅力的な言葉が飛び交います。
財務省の報告では、日本で豊かな生活を続けるには年金受給だけでは月々5万円ほど不足するとされ、大きなニュースとなりました。
こうした背景もあり、生活費の安い海外での暮らしを考え始めた方が増えたのではないでしょうか。
これもメリットだと思います。しかし、これまでと違う、海外での暮らしを選択することで得られるメリットはこれだけではありません。
新しい環境には、新しいコミュニケーションが生まれます。それらがもたらす影響をメリットとして捉えるかどうかは、あなた次第です。
実際に海外で暮らす方々の意見や感想をもとに整理してみます。
またデメリットやイヤな思いをしたという意見も記述します。
異文化交流が楽しい
異文化には2通りあると思っています。
ひとつは、現地の方との交流、もうひとつは現地に暮らす外国人との交流ということを指しています。
特にアジア圏で暮らして感じるのは、同じ黄色人種であること、米文化という共通点です。異文化というと民族芸能や独特な生活用品が注目されますが、よくよく鑑賞すると日本文化との共通項が見つかり、懐かしさえ覚えることがあります。
海や大陸を経由して日本に行き着いたのかも知れない、という想像が広がります。
日本民謡や芸能を見つめ直すきっかけになったというコメントを思い出します。
宗教の深いところまでは理解できませんが、信じることの尊さ、美しさを再認識することもあります。
また、在住する外国人(欧米人)と、仕事抜きまったくのプライベートでお使いあいが出来るというのも海外移住の楽しさではないかと思っています。
そうした繋がりから母国に招かれたり、日本へお誘いしたりすることで世界中に友人・知人が広がります。
国や地域によっては日本出発より安価で渡航出来ることもあります。来年はどこに行こう、その次は・・という想定外の予定が楽しめます。
日本人とのつながりも広がる
退職後の移住だけでなく、様々な理由や事情で海外に居住する方がいます。
仕事の種類も違う、年齢も違う、そして出身地もバラバラです。
日本にいては知り合うどころか、話す機会もないであろう年齢や土地の方と知り合うことが出来るのも海外移住ならではの出来事です。
年齢は若くても居住歴が長ければ、教えてもらうことが多いはずです。そして不思議なことに、若い世代のいう事であっても素直に聞き入れること出来ます。
他県独特の習慣や方言を知ることもあります。お国自慢で盛り上がり、今度日本で会う約束する楽しみが出来ます。
つまり海外であれ日本であれ、ご自身が持っているアイデンティティを再認識できると思います。
海外旅行であっても感じることはできますが、もっと深い場所でご自身のアイデンティティと向き合う事が出来るように思います。
それは人生が広がる、日本にいてはなかなか難しい人生観なのではないかと思います。
デメリットもあります
治安や医療という点ではデメリットだと感じる方が多いと思います。
しかしこうした『不安』は準備することである程度避けることが可能だと思います。
政情不安やテロも気になりますが、それは日本にも言えるかも知れません。
日本食材が高いのも仕方ありません。
やっかいなのは想定外の事態。
例えば風土病や疫病ではないかと思っています。
これだけは日本で罹患する可能性はゼロに近いのですが、現地ではそうはいきません。
予防対策も大切ですが、罹った場合はどうするのか、どういう症状なのかを予習しておきましょう。
そして現地に住む日本人との連携で対応するしかありません。
まとめ
海外生活のメリットを享受するのも、デメリットと感じその国が嫌いになるのも、その方次第だと感じます。
ある程度の年齢になると、新しい価値観を受け入れることが難しくなります。
もちろんそのままの人生もアリですが、違う道が引かれていることも事実です。
どちらの道を選ぶのか。これまでの歩みを振り返ることから始めましょう。